宝物

お市の方、浅井長政、武田(晴信)信玄などの
貴重な肖像画を所蔵しています。
境内では、仏像仏画、襖絵、経典など、
貴重な宝物をご覧いただけます。

絵画

お市の方(浅井長政夫人)像

重要文化財

美人の誉れ高い織田信長の妹。手に経巻を持ち、白地に菊桐文の小袖に、立涌を地紋とした紅地の華やかな打掛を腰巻きに着用して上畳に坐している。美しい女性肖像画の代表作である。
子に、茶々(豊臣秀吉側室 淀君)、初(京極高次正室)、江(徳川秀忠継室 江与)がいる。
七回忌の頃に描かれ、奉納されたとされる。

浅井長政像

重要文化財

近江国の戦国大名。16歳で家督を継ぎ、織田信長の妹・市を正室に迎え、浅井氏の全盛期を築いた。三盛二重亀甲に花菱の家紋。侍烏帽子に黒色の直垂を着し、扇を手にして上畳に坐している。内衣は白、黒、緑の縞模様、襯衣(しんい)は赤色という組み合わせである。
上部に南禅寺第265世錬甫宗純の賛があり、それによると、小谷城で自刃(天正元年)より十七回忌に「有人」が画工に命じて描かせたものという事が分かる。

浅井久政像

重要文化財

近江国の戦国大名。浅井長政の父。侍烏帽子と櫂を交差させた家紋を置いた大紋直垂(だいもんひたたれ)を着け、腰刀を差して、右手に扇を執り、左手を握って上畳に坐した戦国大名の肖像画の基本的形式で描かれている。濃紺と鮮やかな縹(はなだ)色を州浜形にして分けた地に、欅で区切った剣花菱文が全面に施されている。上部に永禄12年(1569)の玄中性洞の賛があり、寿像である事が分かる。

持明房 真誉

持明院の開祖。持明院流の流祖。
普段は公開しておりません。

武田(晴信)信玄像

絹本著色、無落款で作者は不明。甲斐の虎として知られる、武田信玄の若かりし頃の寿像である。
上畳に座し、侍烏帽子に直垂姿で描かれており、右手に中啓を持っている。直垂には花菱の紋とつがいの鷺の図様が描かれる。
普段は、高野山霊宝館に収蔵されている。

武田勝頼妻子像

絹本著色、作者不明。
武田信玄の四男で信玄の死後、武田家の家督を相続した。
上段に勝頼、下段に夫人と信勝が描かれる寿像である。
勝頼の遺言により、甲斐の慈眼寺尊長和尚が高野山持明院(引導院)へ肖像や遺品、金子などを届けたことが古文書に残されている。
普段は、高野山霊宝館に収蔵されている。

武田信虎像

武田信玄の父であり、甲斐武田家の15代当主。
勝頼妻子像と同じく、甲斐の慈眼寺尊長和尚により納められた肖像。信玄・勝頼と三代にわたり肖像が収められている。
普段は、高野山霊宝館に収蔵されている。

襖絵

大西金峯作。金峯は奈良県出身で、明治から大正期に紀の川筋で活躍した南宋画家です。

ねごろぬり根来塗

室町時代作。
根来塗は和歌山県岩出市の根来寺に由来する漆器です。豊臣軍の兵火により多くが失われてしまい非常に稀少です。室町時代作の根来塗湯注のうち、現存する一点を持明院が、一点をワシントンD.C.のフリーア美術館が所蔵しています。
この湯注は手附や注口の曲線が美しく、蓋は大花輪で中国様式が強く表れています。

衝立

唐獅子図衝立(からじしずついたて)
栄川(狩野典信)筆。
金地の衝立いっぱいに墨で唐獅子が描かれています。落款は「法眼栄川画」、徳川家治に寵愛された、木挽町家狩野派六代目の狩野典信(1730~90)による作品です。権力の象徴である唐獅子は、肉太の短い線で力強く描かれ、獅子の輪郭やたてがみ、尾の渦巻き状の毛に狩野探幽以降の形式化された装飾が表われています。